6月6日、千葉市の交差点で自転車に乗った男性が車にはねられた。
はねた男性は逃走。
いわゆる「ひき逃げ」である。
容疑者は信号無視をして交差点に侵入し、ひき逃げをおこした。
容疑者は「人とわからなかった」と供述している。
ひき逃げと聞くと忘れてはならない事件がある。
「別府ひき逃げ」である
2022年6月29日県道で大学生2名がはねられた。
そのうちの一人はなくなった。
この際、犯人は逃走。
この犯人の名前は”八田與一”。
警察は八田容疑者を重要指名手配に指定して行方を追っている。
また、ブレーキ跡がなかったことから殺意を持っていたと考えられている。
早急な逮捕を願うばかりである。
事故現場から逃走する事件は”ひき逃げ”以外にもよく見られる。
6月1日、浜松市で事件が起こった。
男が浜松市の市道から高速道路に車を転落させたのである。
しかも”児童”を残して”逃走”。
事件を起こした男は無免許。
また、検査の結果違法薬物が検出された。
この児童は男の交際相手の子供であった。
幸いにも子供は軽傷であったようだ。
ひき逃げの対策
大きなニュースにはならないもののひき逃げというのは意外にも頻繁に起こっている。
ひき逃げは普通の交通事故の処理と少し異なる。
”誰の身にも起こる”ものであるので対策方法を知っておいて損はないだろう。
ひき逃げの被害者になったときにするべき行動は四つある。
- 加害者の情報を確認
- 証拠映像や目撃者を探す
- 警察を呼ぶ
- 救急車を呼び病院へ
1.2に関して、普通の交通事故であればしない作業である。
相手の車のナンバープレートを覚えておく。
顔が見れたら忘れないようにする。
また、以外にも大事なのが”目撃者”との連絡交換である。
監視カメラがほとんどの場所で設置されている今、こんなことをしなくても犯人を特定できるかもしれない。
しかし、見つからない場合もある。
そんなときに被害者からの情報が活路になる可能性がある。
だから、集められる情報は集める必要がある。
3,4に関しては普通の交通事故でも行うことである。
しかし、違うのは犯人が見つからない限り医療費は自分で払わなければならないということである。
これを受けて、医療を拒んでしまうことがある。
「もし、見つからなかったら」と
しかし、現実は絶対に受けた方がよい。
なぜなら、警察のひき逃げ犯の逮捕率は95%であるからである
ほとんど見つかるのである。
であれば、医療費の心配をせずに医療を受けるべきである。
ひき逃げをする心理
ひき逃げをしてしまう人の心理は以下の二つに分けられるとされている
- 自分の罪を隠したい
- 極度のパニック
自分の罪を隠したい
事故を起こしたときにとっさに「この場にとどまる」「逃げる」
人は、瞬時に自分への害が少ないのはどちらかを考える。
冷静であれば「逃げる」ことの方が自分への害が大きいことは簡単にわかるであろう。
しかし、人を轢いてしまいパニック状態の場合「逃げる」という選択をしてしまうかもしれない。
なぜなら、実は「逃げる」という判断が本能に従った判断だからである。
これを説明したのがプロスペクト理論の”宝くじ”の話である。
プロスペクト理論
プロスペクト理論というのは人間がある状況でどのように行動するのかを説明する理論である。
この中で宝くじの例がよく挙げられる。
あなたはどちらの宝くじを選ぶだろうか
「確実に1億円もらえる」
「50%の確率で2億円がもらえる」
多くの人が確実に一億円もらえる方を選ぶことが分かっている。
では、もう一つ
「確実に一億円を払わなくてはならない」
「50%の確率で損失は0円であるが50%の確率で2億円を払わなければならない」
この場合多くの人が後者を選ぶことが分かっている。
この理論が表すことは二つ。
一つ目、人は「確実に得できるもの」を好み、「確実に損するもの」を絶対的に嫌うということである。
二つ目は、数字が大きくなればなるほど、一つめの性質が顕著になるということである。
例えば、「確実に100円払う」か「2分の一で500円払う」であればおそらく前者を選ぶであろう。
しかし、「確実に1億円払う」か「2分の一で5億円払う」であれば後者を選んでしまうのである。
つまり、数字が大きくなるほど”損をしたくない”という気持ちが大きくなり期待値による理論的な決定が難しくなるのである。
ひき逃げをする人の頭の中をこれをもとに考えると非常にわかりやすくなる。
「逃げなければ確実に罪を負わなければならない」か「逃げればもしかしたら罪を負わなくてもよいかもしれない」
この2つを選ぶ際に確実な損を避けるために後者を選んでしまうのである。
人身事故なので損の値が大きくなり、後者を選びたくなる気持ちはより大きくなる。
そしてとっさに逃げてしまうのだ。
極度のパニック
ある大学の法学の教授がひき逃げをした女性の弁護をすることになった。
その教授は驚いたそうだ。
というのもあまりにもその女性が”普通の女性”であったである。
その教授はひき逃げ犯と聞き、感情的で、攻撃的で自己中心的な人を想像していたそう。
教授はなぜこんな人がひき逃げなんてしてしまったのだろうと不思議に思った。
しかし、話を聞くと少しずつ理解できた。
その女性はひき逃げをした日のことをこのように語っていたそうだ。
ある日、いつものように仕事から車で帰宅をしていた。
そこで急に前に出てきた人をひいてしまった。
しかし、女性はそのあとの記憶が一切なく気づいたら家の中だった。
そこで初めて”ひき逃げをした”ということが分かった。
教授はこのことを”脳のシャットダウン”と呼んでいた。
脳に大きなストレスが急激にかかることで起こるそうだ。
これが起こるとそこからの記憶がなくなり、理性的な行動ができなくなるそう。
人を轢くなんて想像してなかった状態で人を轢いてしまいパニックになり脳がシャットダウンを起こし結果的に逃げてしまったと教授はまとめた。
まとめ:ひき逃げには気を付けよう
最近ひき逃げのニュースをよく目にする。
しかし、世の中は犯人をたたくことで精一杯で他人事である。
ひき逃げはだれしもが被害者にも、加害者にもなりうるものである。
もしひき逃げにあったらどうしよう
そうやって対策を考えるべきではなかろうか
もし、人を轢いてしまったらとっさに逃げてしまうかもしれない
パニックを起こし逃げてしまわないように少し当事者の立場で考えるべきではなかろうか
それくらい危険な世の中になってきている。
ひき逃げは救助が遅れることから、命の危険に発展することも多い
もう少し、自分事として考えるべきではなかろうかと思う今日この頃である。
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